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「統合失調症でも障害者雇用の求人に応募できるの?」「精神障害者手帳はどうやって取ればいい?」「面接で病名をどこまで伝えればいいか不安…」——そんな悩みを抱えながら検索してたどり着いた方へ、この記事を書きました。
統合失調症と障害者雇用・手帳の関係は、知れば知るほど「思っていたより動きやすい」と感じる人が多い領域です。この記事では、手帳の取り方から求人の探し方、面接での伝え方、そして「続かない」と感じたときの対処法まで、就職活動のフェーズ全体をひとつの記事でわかるようまとめています。
結論・要点まとめ
まず結論を3点にまとめます。
- 精神障害者保健福祉手帳があれば、障害者雇用枠の求人に応募できます。統合失調症の診断を受けて一定期間が経過していれば、等級にかかわらず手帳を取得できる可能性があります。
- 面接での伝え方は「配慮してほしいこと」を中心に整理すると、企業側も受け入れやすくなります。病名の告知よりも「どんな環境なら力を発揮できるか」を伝えることが大切です。
- 「続かない」と感じる背景には環境ミスマッチや疲労管理の課題が多く、就労支援サービスを活用することで対策できる場合があります。
精神障害者保健福祉手帳の取り方・等級のめやす

障害者雇用枠を利用するために、まず必要になるのが「精神障害者保健福祉手帳」(以下、精神障害者手帳)です。統合失調症と診断されている場合、この手帳の取得対象になります。
取得の基本的な流れ
- 主治医に手帳申請のための「診断書」を依頼する
- 診断書と申請書類を市区町村の窓口(障害福祉担当課)に提出する
- 都道府県・政令指定都市が審査し、手帳が交付される
申請から交付まで1〜3か月程度かかる場合がありますが、自治体や申請内容によって異なります。書類の不備や医療機関への確認などが必要な場合は、さらに時間がかかることもあるため、就職活動で手帳の利用を考えている場合は、余裕をもって申請手続きを進めておきましょう。
等級はどう決まる?
精神障害者手帳には1級・2級・3級の3段階があり、日常生活や社会参加への影響の度合いをもとに判定されます。統合失調症の場合、症状の状態や生活上の制限によって等級が異なります。
| 等級 | 生活・就労への影響のめやす |
|---|---|
| 1級 | 精神障害により、日常生活を自分で行うことが非常に困難なレベル |
| 2級 | 精神障害により、日常生活に著しい制限がある、または著しい制限を必要とするレベル |
| 3級 | 精神障害により、日常生活または社会生活に制限がある、または制限を必要とするレベル |
等級が低いから障害者雇用枠を使えない、ということはありません。手帳の等級が3級だからといって、障害者雇用率制度の対象外になることはありません。精神障害者保健福祉手帳は1級・2級・3級のいずれも障害者雇用率制度の対象となるため、3級の方も障害者向け求人に応募することができます。ただし、実際の応募条件は求人によって異なるため、求人票を確認する必要があります。
出典:厚生労働省「事業主の方へ」
等級の認定や手帳の申請については、主治医やお住まいの市区町村の担当窓口などに確認しましょう。
統合失調症で障害者雇用枠を使うメリット・求人の探し方
精神障害者手帳を取得すると、一般雇用の求人に加えて「障害者雇用枠」の求人にも応募できるようになります。統合失調症と障害者雇用・手帳の組み合わせを使うことで得られる主なメリットを整理します。
障害者雇用枠を使うメリット
- 配慮を前提に採用される:通院のための休暇取得や業務量の調整など、合理的配慮を受けやすい環境で働けます。
- 定着支援が受けやすい:就労支援機関のサポートを継続しながら働ける企業が多く、入社後のフォロー体制が整っています。
- オープン就労で安心感がある:病名・障害を開示したうえで採用されるため、無理に隠し続けるストレスがありません。
求人を探す主な窓口
- ハローワーク(公共職業安定所):障害のある求職者向けの専門窓口があり、障害者向け求人を含む求人情報の検索や、専門職員による職業相談・職業紹介などの支援を受けることができます。
- 障害者就業・生活支援センター(なかぽつ):地域に根ざした就労・生活両面の支援機関です。
- 就労移行支援事業所:求職活動のスキルを身につけながら就職を目指すことができます。
- 障害者向け求人サイト:複数のサービスがあります。特定サービスの評価・推奨はしませんが、比較検討の際は支援員に相談するのがおすすめです。
面接での「伝え方」——病名よりも配慮事項を中心に

障害者雇用枠で応募する場合、障害・病名の開示(オープン就労)が前提です。ただし、「統合失調症です」と伝えるだけでは企業側に具体的なイメージが伝わりにくく、双方にとって不安が残りやすいです。面接では「どんな配慮があれば力を発揮できるか」を具体的に伝えることが重要です。
伝える内容の整理シート(例)
- 体調管理のパターン:「午前中は集中力が高いですが、午後は少し疲れやすい傾向があります」
- 通院・服薬の状況:「月に〇回通院があります。〇曜日の午前中に定期受診があります」
- 苦手な状況と対処法:「急な業務変更が重なると混乱しやすいため、できれば事前に共有いただけると助かります」
- 得意なこと・活かせること:「ルーティン業務は集中して取り組めます。データ入力や書類整理が得意です」
この「自己開示の整理」は一人で行うより、就労移行支援事業所や就労支援員と一緒に準備すると精度が上がります。面接練習も重ねることで、本番での緊張が和らぎやすくなります。
「症状が重かった時期」について聞かれたら
面接で過去の入院歴や症状について質問された場合は、「症状が不安定だった時期もありましたが、現在は主治医のもとで安定した状態を維持しています」といった形で、現在の安定性と今後の見通しを中心に話すと伝わりやすいです。詳細な症状の説明は必須ではありません。
「障害者雇用が続かない」と感じるとき——よくある原因と対策

統合失調症で障害者雇用・手帳を活用して就職できたものの、「長続きしない」「また辞めてしまった」という経験をした方も少なくありません。これは意志の問題ではなく、職場環境と自分の特性のミスマッチや、疲労・ストレスの蓄積に気づきにくいことが主な背景にある場合が多いです。
よくある「続かない」原因
- 体調の波(波動)を考慮していない業務量・勤務時間の設定
- 職場での人間関係のストレスに対する対処法が確立できていない
- 「もう少し頑張れる」と無理をして限界まで追い込んでしまう
- 通院や服薬管理と仕事のリズムがかみ合っていない
- 入社前に伝えた配慮事項が実際の職場で守られていない
対策として有効なこと
- 定着支援を利用する:就労移行支援などの障害福祉サービスを利用して一般就労した場合、就職後6か月を経過した後から、就労定着支援を最長3年間利用できる場合があります。職場や生活上の課題について相談できるほか、必要に応じて勤務先や医療機関、支援機関などとの連絡調整を行ってもらえます。
出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」 - 短時間勤務からスタートする:フルタイムにこだわらず、週20〜30時間程度の短時間雇用から始めることで、体調への負担を管理しやすくなります。
- セルフモニタリングを習慣化する:毎日の体調・気分・睡眠をメモするだけでも、体調の波を事前に察知しやすくなります。支援員や主治医との情報共有にも役立ちます。
現場からのひとこと
就労支援の現場でよくあるのは、「手帳を取るのを先延ばしにしていたら、就職活動の時期に間に合わなかった」というケースです。手帳の申請には時間がかかるため、「いつか使うかもしれない」と思った段階で主治医に相談しておくことをおすすめしています。手帳を持つこと自体が「重い決断」に感じる方もいますが、使うかどうかは後から選べます。まず選択肢を持っておくことが大切です。
また、面接準備の段階で「自分の配慮事項がうまく言語化できない」と悩む方も多くいます。就労移行支援のスタッフや支援員と一緒に「自分の取扱説明書」を作っていくイメージで取り組むと、面接本番だけでなく、入職後の職場定着にもつながっていきます。統合失調症と障害者雇用・手帳の制度をうまく活用することは、「我慢して働く」ではなく「自分に合った働き方を選ぶ」ための手段です。
よくある質問
Q1. 統合失調症でも精神障害者手帳を取れますか?
はい、対象となる場合があります。統合失調症は精神障害者保健福祉手帳の対象となる精神疾患の一つです。ただし、診断があるだけで必ず交付されるわけではなく、精神疾患の状態や日常生活・社会生活への制約の程度などを踏まえて審査されます。
出典:厚生労働省
診断書によって申請する場合は、その精神疾患について初めて医師の診療を受けた「初診日」から6か月を経過した日以後に作成された診断書が必要です。申請を検討している場合は、主治医やお住まいの市区町村の担当窓口に確認しましょう。
Q2. 手帳の等級が3級でも障害者雇用枠に応募できますか?
はい、応募できます。精神障害者保健福祉手帳は1級・2級・3級のいずれも障害者雇用率制度の対象となっており、3級であることを理由に制度の対象外になることはありません。
出典:厚生労働省「事業主の方へ」
ただし、実際の応募資格や条件は求人によって異なるため、求人票を確認しましょう。
Q3. 面接で「統合失調症」と病名を必ず伝える必要がありますか?
障害者雇用枠での応募では障害の開示が前提ですが、病名の詳細をどこまで伝えるかはあなたが選べます。「精神障害の手帳を持っています」という伝え方でも問題ありません。具体的な症状の説明よりも、「必要な配慮事項」と「どんな環境で力を発揮できるか」を伝えることを重視しましょう。
Q4. 就労移行支援と障害者雇用、どちらを先に考えるべきですか?
どちらを先にするかは、現在の体調や就職準備の状況によって異なります。すぐに就職活動を始められる場合は、ハローワークなどを利用して障害者向け求人への応募を進める方法があります。一方、生活リズムを整えたい、働くためのスキルを身につけたい、職場実習や面接練習をしてから就職したい場合は、就労移行支援を利用して準備を進める方法があります。就労移行支援では、就労に必要な訓練や職場体験、求職活動、職場開拓、就職後の定着に向けた支援などを受けることができ、標準利用期間は2年間です。必要性が認められた場合には、最大1年間の更新が可能です。
出典:厚生労働省
自分に合った進め方については、主治医や相談支援専門員、就労支援機関などに相談しながら検討しましょう。
Q5. 障害者雇用枠で働くと給与は低くなりますか?
給与は企業・職種・勤務時間によって異なり、「障害者雇用枠だから低い」と一概にはいえません。ただし、短時間勤務からスタートする場合は給与額が下がることがあります。生活費との兼ね合いは、就職前に支援員や社会福祉士と一緒に試算することをおすすめします。
まとめ|次にやること
この記事では、統合失調症で障害者雇用・手帳を活用して働くためのステップを解説しました。
- ✅ 精神障害者手帳の申請を主治医に相談する(時間がかかるため早めに)
- ✅ 面接では「病名の説明」より「配慮事項と得意なこと」を整理する
- ✅ 就労移行支援・定着支援などのサービスを並行して活用する
- ✅ 「続かない」経験があっても、環境を変えることで状況が変わる場合があります
「まず何から動けばいいかわからない」という場合は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口や、地域の就労移行支援事業所への見学・相談が最初の一歩になります。一人で抱え込まず、使える制度とサポートを活用しながら、自分に合った働き方を探していきましょう。
「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。
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この記事の監修者
監修:雨宮久美子
サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」
就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。


