本記事にはアフィリエイト広告が含まれる場合があります。
「合理的配慮って、職場でどんな例をお願いすればいいの?」「会社に伝えたいけど、具体的な言葉が思い浮かばない」——そんなふうに感じていませんか。合理的配慮の例・職場での実践を知りたくて調べているあなたに向けて、この記事では障害別・場面別に使いやすい配慮例50選をまとめました。交渉の場面で「そのまま参考にできる」リストとして活用してください。
結論・要点まとめ
まず結論をお伝えします。
- 2024年4月1日施行の改正障害者差別解消法により、店舗やサービスの提供など雇用以外の分野でも、民間事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。(出典:内閣府「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」)
- 合理的配慮は「特別扱い」ではなく、あなたが仕事をするうえで必要な環境を整える対話のプロセスです。
- 障害の種別・場面ごとに具体例を知っておくと、会社との話し合いがスムーズになります。
合理的配慮とは何か——義務化の背景も含めて
合理的配慮とは、障害のある人とない人との均等な機会や待遇を確保し、障害のある人が働くうえで支障となっている事情を改善するために、事業主が行う必要な調整や措置です。ただし、事業主に過重な負担を及ぼす場合は除かれます。
雇用分野では、改正障害者雇用促進法により、2016年4月1日から、企業規模にかかわらずすべての事業主に合理的配慮の提供が義務づけられています。(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」)
また、2024年4月1日施行の改正障害者差別解消法により、店舗やサービスの提供など雇用以外の分野でも、民間事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務に変更されました。(出典:内閣府「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」)
このように、企業で働く人に対する合理的配慮は障害者雇用促進法、顧客などに対する商品・サービス提供時の合理的配慮は障害者差別解消法によって定められています。
重要なのは「過重な負担にならない範囲で」という条件です。会社側が「うちには難しい」と感じた場合でも、まずは代替案を含めた対話が求められます。一方的に断ることは認められません。あなた自身が「どんな配慮があれば働きやすいか」を言語化しておくことが、この対話の第一歩になります。
なお、配慮の内容は画一的なルールではなく、あなたと会社が個別に話し合って決めるものです。以下の例50選は出発点として活用してください。
場面別・合理的配慮の例一覧(全50例)
職場での合理的配慮の例を「採用・入社時」「業務遂行」「コミュニケーション」「体調管理・休憩」「環境・設備」の5場面に分けて紹介します。
①採用・入社時の配慮例(例1〜8)
- 例1 面接時間を短く区切る(長時間の集中が難しい場合)
- 例2 筆記試験にパソコン・音声入力の使用を認める
- 例3 面接を複数回に分けて実施する
- 例4 面接会場をバリアフリー対応の部屋に変更する
- 例5 応募書類の様式を変更する(手書き不要など)
- 例6 採用試験の時間を延長する
- 例7 入社前に職場見学・体験の機会を設ける
- 例8 入社時のオリエンテーション資料をテキスト形式で事前送付する
②業務遂行の配慮例(例9〜22)
- 例9 業務指示を口頭だけでなく文書・メモでも伝える
- 例10 業務手順をフローチャートや図で可視化する
- 例11 一度に伝える作業指示を1〜2ステップに絞る
- 例12 優先順位を明示したタスクリストを共有する
- 例13 締め切りをリマインダーツールで通知する
- 例14 担当業務を得意分野に集中させ、苦手業務を分担する
- 例15 突発的なタスクの割り込みを最小限にする
- 例16 電話対応の代わりにメール・チャット対応に変更する
- 例17 複数のプロジェクト兼任を避け、業務範囲を明確にする
- 例18 テレワーク・在宅勤務の選択肢を設ける
- 例19 勤務時間・勤務日数を短縮・分割する(時短勤務)
- 例20 始業・終業時刻をフレキシブルに調整する
- 例21 定期的な業務報告の場を設け、進捗を確認し合う
- 例22 研修・会議の資料を事前配布する
③コミュニケーションの配慮例(例23〜31)
- 例23 担当の相談窓口(メンター・支援担当者)を1名決める
- 例24 曖昧な指示・暗黙のルールを言語化して伝える
- 例25 叱責や批判は人前でなく個別で行う
- 例26 会議の議事録をテキストで共有する
- 例27 手話通訳・要約筆記のサポートを手配する(聴覚障害)
- 例28 音声認識ツール・字幕表示ツールをオンライン会議で使用する
- 例29 コミュニケーションをチャットツールに統一する
- 例30 フィードバックは具体的な行動ベースで伝える
- 例31 「困ったときに申し出やすい雰囲気づくり」を上司が意識する
④体調管理・休憩の配慮例(例32〜40)
- 例32 定期的な小休憩(10〜15分)を業務中に確保する
- 例33 休憩室・静養スペースを利用できるようにする
- 例34 通院・治療に伴う遅刻・早退・有給取得を柔軟に認める
- 例35 体調悪化時の早退ルールをあらかじめ決めておく
- 例36 服薬のタイミングに合わせた休憩を認める
- 例37 疲労が蓄積しやすい日(天候・季節変動など)の業務量を調整する
- 例38 再発・体調悪化時の休職・復職ルールを書面で共有する
- 例39 産業医・EAP(従業員支援プログラム)との面談機会を設ける
- 例40 体調を記録する日報・セルフモニタリングシートの活用を支援する
⑤環境・設備の配慮例(例41〜50)
- 例41 騒音が少ない席・個室・パーテーション設置を検討する
- 例42 照明の明るさを調整できる環境を整える
- 例43 車椅子・補装具に対応したデスク・スペースを確保する
- 例44 スクリーンリーダー・拡大鏡など支援技術ソフトを導入する
- 例45 エレベーター・バリアフリートイレへのアクセスを保障する
- 例46 においや化学物質に配慮した環境整備(香水禁止ルールなど)を検討する
- 例47 通勤手段の変更・時差通勤・送迎支援を検討する
- 例48 ノイズキャンセリングヘッドフォンの使用を認める
- 例49 マニュアル・標識を読みやすいフォント・レイアウトで作成する
- 例50 業務で使用するシステム・ツールのアクセシビリティ設定を支援する
障害別でよく使われる配慮例
障害の種類によって、職場での合理的配慮の例として特に活用されやすいものが異なります。以下に代表的な傾向を示します。あくまで参考であり、同じ障害名であっても個人差が大きいため、最終的には主治医・支援者とも相談しながら自分の状況に合わせてください。
精神障害(うつ病・双極性障害・統合失調症など)への配慮例
合理的配慮の例・精神障害については、体調の波への対応が中心になります。
- 業務量・責任範囲の段階的な調整(復職直後など)
- 定期的な1on1面談による早期サポート
- 繁忙期の業務集中を避ける配慮
- 通院・休薬・服薬管理のための時間確保
- ストレスの高い業務(クレーム対応・長時間残業)からの一時的な外れ
発達障害(ASD・ADHD など)への配慮例
- 業務手順の明文化・マニュアル化
- スケジュール管理ツールや視覚的チェックリストの活用
- 感覚過敏(音・光・においなど)への環境調整
- コミュニケーションのルール明確化(例:「今すぐ答えなくていい」という文化)
- 業務の優先順位を毎日確認する短い打ち合わせの実施
身体障害・内部障害への配慮例
- 車椅子・歩行補助器具に対応した通路・デスクの確保
- 人工透析・ストーマなど医療的ケアに対応したトイレ・休憩スペース
- 易疲労性(疲れやすさ)への業務負荷調整
- 緊急時の連絡体制と救急対応マニュアルの共有
聴覚障害・視覚障害への配慮例
- 会議・研修での字幕・手話通訳・要約筆記の手配
- 音声情報のテキスト化・視覚情報の音声化
- スクリーンリーダー対応フォーマットでの書類作成
- 非常時の情報伝達を視覚・触覚など複数手段で行う
現場からのひとこと
(※以下は監修スタッフによる加筆・修正を前提とした下書きです)
就労支援の現場では、「配慮をお願いしたいけど、何をどう伝えたらいいかわからない」という声をよく聞きます。この記事の例50選は出発点として使えますが、実際の交渉では「なぜその配慮が必要か」を自分の言葉で説明できると、会社側も具体的に動きやすくなります。支援員と一緒に「自分の困りごと→必要な配慮→会社に伝える言葉」の順番で整理するのが効果的です。
また、合理的配慮は「一度決めたら終わり」ではなく、働きながら見直し続けるものです。体調やライフステージが変わるたびに、担当者や支援者と定期的に確認する習慣をつけておくと、長く働き続けるための土台になります。
よくある質問
Q1. 合理的配慮をお願いしたら「わがまま」と思われませんか?
合理的配慮は、障害のある人が能力を発揮して働くうえでの支障を改善するために、法律で定められた仕組みであり、単なる「わがまま」ではありません。雇用分野では、障害者雇用促進法により、2016年4月1日から、企業規模にかかわらずすべての事業主に合理的配慮の提供が義務づけられています。ただし、希望した配慮が事業主に過重な負担を及ぼす場合などを除き、具体的な配慮の内容は本人の意向を尊重しながら、本人と事業主が話し合って決定します。「自分が働くために、何に困っていて、どのような配慮が必要なのか」を具体的かつ建設的に伝えることが大切です。不安な場合は、就労支援機関の支援員やジョブコーチなどに相談し、話し合いを支援してもらう方法もあります。(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」)
Q2. 配慮をお願いしたのに断られた場合はどうすればいいですか?
まずは、希望した配慮を提供することが難しい理由を会社に確認し、別の方法で仕事上の支障を軽減できないか話し合ってみましょう。希望する措置が会社にとって過重な負担に当たる場合でも、会社は本人の意向を尊重しながら、実施可能な代替措置を検討することが求められます。
それでも解決しない場合は、ハローワークまたは都道府県労働局の職業安定部に相談できます。話し合いによる自主的な解決が難しい場合には、都道府県労働局長による助言・指導・勧告や、障害者雇用調停会議による調停を利用できる場合があります。(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」)
また、障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所などを利用している場合は、支援員に相談し、会社との話し合いや配慮内容の整理を支援してもらう方法もあります。
Q3. 精神障害の場合、どの配慮例から伝えるのがよいですか?
体調の波・疲れやすさ・集中力の変動などを整理したうえで、「業務量の調整」や「定期的な面談機会の確保」といった受け入れられやすい例から伝えると対話が始めやすくなります。主治医の意見書・診断書を補足資料として活用する方法もあります。具体的な内容は支援者や主治医と相談して決めましょう。
Q4. 中小企業でも合理的配慮の義務はありますか?
はい。企業規模にかかわらず、中小企業にも合理的配慮の提供義務があります。雇用分野では、改正障害者雇用促進法により、2016年4月1日から、すべての事業主に合理的配慮の提供が義務づけられています。(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」)
ただし、合理的配慮が「過重な負担」に当たるかどうかは、事業活動への影響、実現の難しさ、費用・負担の程度、企業規模、財務状況、公的支援の有無などを総合的に考慮し、個別に判断されます。中小企業だから一律に義務が免除されるわけではありません。(出典:厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」)
企業は、障害者雇用に伴う施設・設備の整備や支援者の配置などに利用できる助成制度のほか、ハローワーク、地域障害者職業センター、ジョブコーチ、障害者雇用管理サポーターなどによる相談・専門支援を利用できる場合があります。(参考:厚生労働省「障害者雇用のご案内」)
Q5. 就職前(採用選考中)にも配慮をお願いできますか?
はい、採用選考の場面でも合理的配慮を求めることができます。面接時間の短縮・試験形式の変更・会場のバリアフリー対応などが代表例です(例1〜8参照)。申し出のタイミングは「応募書類の提出時」または「面接日程の調整連絡時」が自然です。
まとめ|次にやること
この記事では、合理的配慮の例・職場での実践として50例を場面別・障害別に紹介しました。最後に、あなたが次に取れる3つのステップをお伝えします。
- ステップ1 50例のリストから「自分に当てはまりそうな例」に印をつける
- ステップ2 「なぜそれが必要か」を自分の言葉で整理する(支援者・主治医と一緒でもOK)
- ステップ3 会社の担当者や支援機関と「対話」として伝える場を設ける
合理的配慮は「もらうもの」ではなく、あなたと会社が一緒に働きやすい環境をつくる対話のプロセスです。一人で抱えず、支援者や相談窓口を頼りながら進めてください。
「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。
はたらく森(A型・就労移行)の見学で無料で相談できます。
この記事の監修者
【監修者氏名】【保有資格 サービス管理責任者:雨宮久美子】
就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。



コメント