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「配慮事項の伝え方や例文を知りたい」「どこまで話せばいいのか迷っている」——そんな悩みを抱えて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。障害のある求職者にとって、配慮事項をどう伝えるかは、面接や入社後の働きやすさを大きく左右する大切なポイントです。「正直に話しすぎると不採用になりそう」「でも隠して入社しても長続きしないかも」——その葛藤は、支援現場でも毎日のように聞こえてきます。
この記事では、就労支援の現場ノウハウをもとに、配慮事項の伝え方・例文・書き方を具体的に紹介します。面接での伝え方から、書類への書き方まで、幅広く網羅しました。「言い過ぎず、隠さず」がどういうことか、一緒に考えていきましょう。
結論・要点まとめ
結論を先にお伝えします。配慮事項の伝え方には、次の3つの柱があります。
- 「何が苦手か」より「どうすれば働けるか」を中心に伝える
- 抽象的な障害名より、具体的な配慮内容をセットで伝える
- 面接・書類・入社後と、場面ごとに伝え方を変える意識を持つ
なぜ「配慮事項の伝え方」が大切なのか
障害のある人が企業で働く場合、障害者雇用促進法に基づき、2016年4月1日から、すべての事業主に合理的配慮の提供が義務づけられています。合理的配慮の内容は、障害の状態や職場の状況に応じて、本人と事業主が話し合って決定します(厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」)。一方、2024年4月1日施行の改正障害者差別解消法は、店舗・サービスなど雇用以外の事業分野で、民間事業者による合理的配慮を努力義務から法的義務へ変更したものです。雇用分野については、同法第13条により障害者雇用促進法が適用されます(内閣府「改正障害者差別解消法のリーフレット」)。つまり、あなたが配慮を求めることは、法的にも認められた権利です。ただし、「どんな配慮が必要か」を企業が正確に把握するには、あなた自身からの情報提供が欠かせません。
配慮事項がうまく伝わらないと、こんな問題が起きがちです。
- 入社後に「こんな仕事は無理」と気づかれ、お互いに戸惑う
- 企業側が「何を準備すればいいか」わからず、配慮が後手に回る
- 体調を崩して離職につながる
逆に、配慮事項の伝え方・例文を押さえておけば、企業との相互理解がスムーズになり、長く働き続けるための土台が作りやすくなります。
配慮事項の伝え方の基本ルール
「できないこと」ではなく「こうすればできる」で伝える
最も大切な軸は、問題提起ではなく解決策の提示です。企業の担当者は、あなたの診断名や症状の詳細よりも「一緒に働くためにどんな準備が必要か」を知りたいと思っています。
- ❌「パニックになることがあります」
- ✅「突発的な変更が苦手なため、業務内容は前日までに共有いただけると安心して取り組めます」
このように「苦手な状況 → 具体的な配慮のお願い」という構成にすると、企業側も動きやすくなります。
「どこまで話すか」の線引き
配慮事項の書き方・伝え方で多くの人が迷うのは「どこまで開示するか」という点です。基本的な考え方は次のとおりです。
- 伝えるべき情報:業務遂行に直接関係する配慮(席の場所、休憩の取り方、指示の形式など)
- 必ずしも伝えなくていい情報:診断名の詳細、治療歴、薬の種類など(必要に応じて主治医・支援者に相談を)
ただし、「隠す」ことと「開示しない」ことは違います。業務に影響する可能性があることは、誠実に共有したほうが、結果的に信頼関係を築きやすくなります。
配慮事項は「お願い」ではなく「情報共有」として伝える
「迷惑をかけてしまう」という気持ちから、配慮のお願いを小さくしすぎてしまう人もいます。しかし、合理的配慮は一方的な「負担のお願い」ではなく、お互いが気持ちよく働くための情報交換です。自信を持って、落ち着いたトーンで伝えましょう。
場面別・配慮事項の伝え方と例文15選
【面接での伝え方】例文1〜6
面接で配慮事項を伝えるときは、簡潔さと具体性のバランスが大切です。長くなりすぎると「大変そう」と思われやすく、短すぎると「何を準備すればいいか」が伝わりません。目安は1件あたり1〜2文程度です。
| 場面・特性 | 例文 |
|---|---|
| 聴覚過敏 | 「騒音が多い環境では集中が乱れやすいため、耳栓やイヤーマフの使用、または比較的静かな席へのご配慮をいただけると助かります」 |
| 疲労・体力管理 | 「午後になると集中力が落ちやすいため、午前中に重要な業務を集中させていただけると、パフォーマンスを維持しやすくなります」 |
| コミュニケーション | 「口頭指示を一度で全て受け取ることが難しい場合があるため、メモやチャットツールで補足いただけると正確に対応できます」 |
| パニック・不安 | 「急な予定変更が苦手なため、変更がある場合は前日までにお知らせいただけると、落ち着いて対応できます」 |
| 視覚特性 | 「細かい文字の識別に時間がかかるため、書類のフォントサイズを大きめにしていただくか、音声での確認を併用できると助かります」 |
| 体調管理・通院 | 「月に1〜2回程度の通院があるため、その日は遅出や早退などの柔軟な対応をご相談できますと幸いです」 |
【書類・エントリーシートでの書き方】例文7〜10
配慮事項の書き方として、書類に記載する場合は「箇条書き+一言補足」の形式が読みやすく、採用担当者にも伝わりやすいです。
- 例文7:「配慮事項:指示はメール・チャット等の文字ベースでの確認を希望します(口頭指示の聞き漏れを防ぐため)」
- 例文8:「配慮事項:業務の優先順位を明確にしていただけると、マルチタスクへの対応がスムーズになります」
- 例文9:「配慮事項:疲労管理のため、繁忙期の急な残業は事前にご相談いただけますと幸いです」
- 例文10:「配慮事項:蛍光灯の明るさに過敏な場合があるため、デスクライトの調整または座席の位置調整をご相談させてください」
【入社後・上司や同僚への伝え方】例文11〜13
入社後の配慮事項の伝え方は、面接や書類よりもやや柔らかいトーンで、日常会話に近い形が馴染みやすいです。
- 例文11:「少し相談があるのですが、会議の議事録をテキストで共有いただけると、後から確認しやすくてとても助かります」
- 例文12:「急ぎでないときは、口頭より先にチャットで一声いただけると準備しやすいです。よろしくお願いします」
- 例文13:「体調管理の一環で、昼休憩は静かな場所でとることがあります。ご理解いただけると助かります」
【支援機関・就労支援員への相談例】例文14〜15
就労支援の担当者に配慮事項を整理してもらいたいときの伝え方の例も押さえておくと便利です。
- 例文14:「自分でうまく言語化できないのですが、職場でどういう配慮をお願いすればいいか、一緒に整理してもらえますか」
- 例文15:「前の職場で困ったことをリストにしてきました。これをもとに、配慮事項の伝え方の例文を作ってもらえると助かります」
配慮事項を伝えるときに避けたい3つのNG
- NG1:診断名だけ伝えて終わる——「○○です」と病名だけを伝えても、企業は何をすればいいかわかりません。必ず「だから、こうしてほしい」をセットにしましょう。
- NG2:配慮事項を詰め込みすぎる——一度に多くの配慮を求めると、企業側の負担感が増します。特に重要度の高いものに絞り、入社後に状況を見ながら追加交渉するのも一つの方法です。
- NG3:「なんでもできます」と伝えてしまう——配慮を求めることをためらうあまり、実際より多くのことができると思わせてしまうと、入社後にお互いが困ります。正直さが長く働く土台になります。
現場からのひとこと
就労支援の現場では、配慮事項をうまく言語化できずに悩んでいる方が非常に多いです。「自分の困りごとが配慮事項として言えるのかどうかわからない」という声もよく聞きます。そんなときは、過去の職場や学校で「こういう場面でつまずいた」という経験を書き出すところから始めてみてください。具体的なエピソードから、必要な配慮が自然と見えてきます。
また、配慮事項の伝え方・例文は一度作ったら終わりではありません。働く環境や体調の変化に合わせて、定期的に見直すことをおすすめしています。支援員と一緒に「今の自分に合った伝え方」をアップデートし続けることが、長期就労につながるポイントだと感じています。
よくある質問
Q1. 障害者手帳を持っていなくても、配慮事項を伝えていいですか?
合理的配慮の対象は、障害者手帳の所持者に限定されません。身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)などにより、長期にわたって職業生活に相当の制限を受けている人などが対象です。募集・採用時には、原則として本人が仕事上の支障や希望する配慮を企業へ申し出ます。採用後は本人からの申出の有無にかかわらず、企業が障害を把握した場合、職場で支障となっていることを確認し、本人と話し合って合理的配慮を検討します(厚生労働省「合理的配慮指針(概要)」(PDF))。ただし、オープン就労(障害を開示して働く形)かクローズ就労かによって状況が異なるため、支援機関や主治医とも相談しながら決めていきましょう。
Q2. 面接で配慮事項を伝えると、採用に不利になりますか?
法律上、障害を理由とした不当な差別的取り扱いは禁止されています。一方、現実的にはゼロとは言い切れない側面もあります。だからこそ、「伝え方」が大切になります。「できないこと」ではなく「こうすれば活躍できる」という視点で伝えることで、プラスの印象を与えることができます。
Q3. 配慮事項をどう整理すればいいかわからない場合は?
就労移行支援や障害者就業・生活支援センターなど、就労支援の専門機関のスタッフと一緒に整理する方法がおすすめです。過去の経験から「何が困りごとだったか」を棚卸しするワークを実施している支援事業所も多くあります。
Q4. 入社後に配慮が守られない場合はどうすればいいですか?
まずは上司や人事・社内相談窓口に、困っていることと必要な配慮を改めて相談することが第一歩です。事業主には、障害のある労働者からの相談に対応する体制を整備することが義務づけられています。社内での話し合いによっても解決しない場合は、ハローワークや都道府県労働局の職業安定部に相談できます。都道府県労働局長による助言・指導・勧告や、障害者雇用調停会議による調停を利用できる場合もあります。就労支援機関を利用している場合は、本人の意向を伝えたうえで、支援員やジョブコーチに企業との話し合いや職場調整を支援してもらう方法もあります(厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」(PDF))に相談する方法もあります。支援機関を利用している場合は、支援員を通じて企業と調整してもらうこともできます。
Q5. 配慮事項の伝え方は、アルバイトや派遣でも同じですか?
基本的な考え方は同じです。雇用形態にかかわらず、働く場所でのあなたの状況を伝え、お互いに働きやすい環境を整えることが大切です。ただし、雇用形態によって相談窓口や手続きが変わる場合もあるため、具体的な状況は支援機関に確認することをおすすめします。
まとめ|次にやること
配慮事項の伝え方・例文について、ポイントをまとめます。
- 「何が苦手か」だけでなく「こうすれば働ける」という形で伝える
- 面接・書類・入社後と、場面ごとに伝え方を使い分ける
- 配慮事項は定期的に見直し、働く環境の変化に合わせてアップデートする
次にあなたが取り組めることは、まず「過去に困ったことリスト」を書き出してみることです。箇条書きでも、メモ程度でも構いません。そのリストをもとに、支援員や信頼できる人と一緒に「自分版・配慮事項の伝え方と例文」を作っていきましょう。
一人で抱え込まず、周りの力を借りながら、あなたらしく働ける環境を一緒に整えていきましょう。
「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。
はたらく森(A型・就労移行)の見学で無料で相談できます。
この記事の監修者
【監修者氏名】【保有資格 サービス管理責任者:雨宮久美子】
就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。



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