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「また休んでしまった」「調子が悪いとわかっていたのに、どう動けばよかったのか」――障害者雇用で働き続けるうえで、体調管理と職場への伝え方に悩んでいませんか? 欠勤や遅刻が続くと、職場の信頼が揺らぐのではと不安になりますよね。でも、体調の波は「意志の問題」ではなく、予測・記録・共有の仕組みがあれば、ずっと対処しやすくなります。
この記事では、障害者雇用で働く人の職場での体調管理での実践に使える「自己管理シート」の書き方を中心に、セルフモニタリングの基本から職場への共有文例まで、そのままコピーして使えるかたちで紹介します。ぜひ印刷してデスクに置いてみてください。
自己管理シートとは?なぜ必要なのか
自己管理シート(セルフモニタリングシート)とは、毎日の体調・睡眠・気分・行動を記録することで、自分の「調子が崩れるパターン」を可視化するツールです。記録が積み重なると「〇〇が続くと翌日しんどくなる」「月曜より水曜の午後がキツい」といった自分だけの傾向が見えてきます。
障害者雇用で体調管理を職場と連携するためには、まず自分自身が状態を言語化できることが出発点。「なんとなく調子が悪い」を「睡眠4時間・頭重感・集中力低下」と伝えられると、上司や支援担当者も具体的なサポートを考えやすくなります。制度の基本(合理的配慮の申請方法など)はこのメディアの別記事も参考にしてください。
チェックリスト
以下のリストは印刷してそのまま使えます。あてはまる項目に✓を入れながら、週1回振り返ってみましょう。
【毎朝】起床時のセルフチェック(1〜2分)
- 昨夜の睡眠時間はおよそ何時間か書いた(目安:6〜8時間帯かどうか確認)
- 目覚めたときの体の重さ・頭痛・倦怠感を3段階(軽・中・重)でメモした
- 今日の気分・不安感を5段階(1=つらい〜5=良好)で記録した
- 食欲があるかどうかを一言書いた(「ある」「ない」「少し」)
- 服薬がある場合、飲んだかどうか確認した(※詳細は主治医に相談)
【仕事中】作業中のセルフモニタリング
- 午前中の集中できた時間帯をざっくりメモした(例:10〜11時は集中できた)
- 「しんどいな」と感じた瞬間と、そのときの状況(業務内容・騒音・対話など)を書いた
- ミスや抜け漏れが多かった場合、「眠気」「焦り」「騒音」などその場の原因を一言添えた
- 休憩のタイミングと長さを記録した(例:11時に10分、12時に昼食30分)
- 「これ以上は無理」と感じたとき、誰かに声をかけることができたか確認する
【夜】振り返りチェック
- 今日の体調を総合的に5段階で評価した
- 「明日につながりそうな不安」を一言だけ書き出した(書いたら手放すイメージで)
- 明日の準備(持ち物・起床時間・服薬)を確認した
- 「今日できたこと」を1つ以上書いた(小さなことでOK)
【週1回】週次レビューチェック
- 今週の体調スコアを見返し、低い日が集中している曜日・時間帯はないか確認した
- 欠勤・遅刻・早退があった場合、前日・当日の記録を見返した
- 「調子が崩れるサイン」(例:イライラが増える、眠れない日が2日続く)を書き出した
- 支援担当者や上司と共有したい情報を1〜2行にまとめた
- 来週に向けて「1つだけ変えたいこと」を決めた
記入例・言い換え例
以下は架空の例として参考にしてください。あなた自身の言葉に置き換えてOKです。
自己管理シート:1日分の記入例
| 項目 | 記入内容の例 |
|---|---|
| 日付・曜日 | ◯月◯日(月) |
| 睡眠時間 | 約5時間(2時ごろ就寝、7時起床) |
| 起床時の体調 | 頭が重い(中)、倦怠感あり(重) |
| 今日の気分 | 2(不安感が強い) |
| 仕事中のできごと | 午前中は集中できず、書類の転記ミス1件。午後は少し落ち着いた |
| 「しんどい」と感じた場面 | 10時ごろ、会議室での打ち合わせ後に頭痛が増した |
| 今日できたこと | 昼休みに担当者へ「今日は少しつらい」と一言伝えられた |
| 明日への引き継ぎメモ | 睡眠が続けて短い。明日も頭痛が出やすいかも |
調子が悪いサインの言語化テンプレート
「なんとなく」を言葉にするのが難しいときは、以下の穴埋め形式を使ってみてください。
| カテゴリ | 記入テンプレート | 記入例 |
|---|---|---|
| 体の変化 | 「〇〇のとき、体が△△になる」 | 「よく眠れない日が2日続くと、翌日は頭痛が出やすい」 |
| 気分・感情の変化 | 「〇〇があると、気分が△△になる」 | 「急な予定変更があると、不安感が1〜2時間続く」 |
| 行動の変化 | 「調子が悪くなると、△△が増える」 | 「ミスが増える・返信が遅くなる・休憩室にこもりがちになる」 |
| 職場への伝え方 | 「〇〇の状態のときは、△△してもらえると助かります」 | 「頭痛があるときは、口頭より書面で指示してもらえると助かります」 |
上司・担当者への共有文例(週次レポート)
支援担当者や上司に週1回共有する際、長文ではなく3〜5行でまとめると伝わりやすいです。以下は文例の一例です(実情に合わせて書き換えてください)。
【今週の体調報告・例文】
今週は睡眠が短い日が3日ありました。水曜に頭痛で集中しにくい時間帯がありましたが、午後は落ち着きました。来週も月曜の午前中は少し余裕を持って進められると助かります。引き続きよろしくお願いします。
よくあるつまずき
「書くのが面倒で続かない」
シートは「完璧に書こう」としないことがポイントです。1日1行、5段階スコアを書くだけでも十分。アプリのメモや手帳の余白でもOKです。「続けること」より「傾向に気づくこと」が目的なので、空白日があっても気にしないでください。
「調子の悪さをどこまで職場に伝えてよいかわからない」
障害者雇用の職場では、体調の「状態」と「必要な配慮」を分けて伝えることが有効です。「気分が落ちています」だけでなく、「今日は口頭指示よりメモをもらえると助かります」という具体的なお願いをセットにすると、上司も対応しやすくなります。何をどこまで開示するかは、雇用契約時に取り決めた内容や支援担当者と相談しながら決めましょう。
「記録を見ても対策がわからない」
記録を続けていても「だから何?」と感じるときは、支援担当者と一緒に振り返るのが近道です。就労支援員やジョブコーチは、障害者雇用での体調管理を職場とどう連携するかを一緒に考えるサポートができます。一人で抱え込まず、月1回でも面談の機会を活用してみてください。
「職場に伝えたら配置転換や解雇が怖い」
障害者雇用促進法に基づく合理的配慮指針では、障害のある労働者が採用後に合理的配慮について相談したことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いを行ってはならないとされています。また、障害を理由として、賃金や配置、昇進などについて差別的な取扱いをすることも禁止されています。
出典:厚生労働省「合理的配慮指針」
職場での合理的配慮や障害者差別への対応に不安がある場合は、ハローワークの障害のある方向け専門窓口や、地域の障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)などに相談できます。
出典:厚生労働省「障害者に関する窓口」
現場からのひとこと
就労支援の現場では、「体調の波があること」より「波があったときに自分でも職場でも対処できる仕組みがないこと」が、離職につながりやすいと感じています。自己管理シートを使っている利用者さんの中には、「記録を始めてから、しんどくなる前に担当者に声をかけられるようになった」と話してくれる方も少なくありません。
職場側からも「事前に教えてくれれば対応できる」という声を聞きます。障害者雇用での体調管理は、「我慢して隠す」でも「全部さらけ出す」でもなく、必要なことを必要なタイミングで共有する練習です。シートはそのための練習帳。完璧でなくて大丈夫です。
まとめ
障害者雇用で体調管理を職場と連携するために、今日からできることを整理します。
- 毎朝1〜2分、体調スコアと睡眠時間を記録する(まずここから)
- 週1回、記録を見返して「崩れるサイン」を探す
- 「状態+配慮のお願い」をセットで伝える言葉を用意する
- 支援担当者と月1回シートを見返す時間を持つ
体調の波は、記録と共有の積み重ねで少しずつ「予測できるもの」になっていきます。このシートが、職場で長く安心して働き続けるための道具になれば幸いです。
「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。
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この記事の監修者
監修:雨宮久美子
サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」
就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。


