うつ病で障害者雇用に転職するステップ|クローズとの違いと面接の伝え方

うつ病で障害者雇用に転職するステップ|クローズとの違いと面接の伝え方 転職・就活の実践

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「うつ病 障害者雇用 転職」というキーワードで検索しているあなたは、いまこんな気持ちではないでしょうか。「一般雇用での転職に何度も挫折した」「オープンとクローズ、どちらが自分に合っているのかわからない」「面接で病名をどう伝えればいいのか不安で踏み出せない」——。この記事では、うつ病のある人が障害者雇用を使って転職するまでの具体的なステップと、クローズ就労との違い、面接での伝え方のポイントを、支援現場の視点からわかりやすく解説します。

結論・要点まとめ

まず先に答えを整理します。

  • うつ病の方が、障害者雇用率制度上の精神障害者として障害者向け求人に応募する場合は、精神障害者保健福祉手帳(1〜3級)の所持を応募条件として確認されることがあります。精神障害者保健福祉手帳の所持者は、障害者雇用率制度の算定対象となります。
  • オープン就労(障害者雇用)とクローズ就労(一般雇用)にはそれぞれメリット・デメリットがあり、「どちらが正解」ではなく、体調・キャリア・職場環境で判断します。
  • 面接での病名の伝え方は「できないことより、できることと配慮事項を伝える」が基本です。

障害者雇用で転職するために必要な準備

転職までの4ステップ

精神障害者保健福祉手帳の取得

うつ病の方が、障害者雇用率制度上の精神障害者として障害者向け求人への応募を考える場合は、精神障害者保健福祉手帳の取得が基本となります。障害者雇用率制度では、精神障害者保健福祉手帳の所持者が精神障害者として算定対象となります。
出典:厚生労働省「事業主の方へ」
診断書を使って精神障害者保健福祉手帳を申請する場合は、その精神疾患について初めて医師の診療を受けた「初診日」から6か月を経過した日以後に作成された診断書が必要です。
出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」
申請は市区町村の担当窓口を経由して行います。申請を検討している場合は、まず主治医や市区町村の担当窓口に相談してみましょう。

精神障害者保健福祉手帳は、1級・2級・3級の3段階に分かれており、うつ病の場合も、精神疾患の状態や日常生活・社会生活への制約の程度などを総合的に判断して等級が認定されます。利用できる支援や割引などは、等級や自治体、制度によって異なる場合があります。
なお、障害者雇用率制度における企業側の雇用人数のカウントは、精神障害者保健福祉手帳の等級ではなく、主に週所定労働時間などによって決まります。

転職活動で使える主な支援機関

手帳を取得したら、以下のような支援機関を活用することができます。

  • ハローワーク(専門援助部門):障害者雇用求人を専門に扱う窓口があり、求人紹介や応募書類のサポートを受けられます。
  • 就労移行支援事業所:就職に必要な訓練や職場体験、求職活動、職場探し、就職後の職場定着までサポートします。標準利用期間は2年間で、必要性が認められた場合には最大1年間の更新が可能です。
    出典:厚生労働省「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」
  • 障害者就業・生活支援センター:就労と生活の両面から相談できる地域の窓口です。
  • 民間の障害者専門転職エージェント:求人情報の収集や書類作成サポートを受けられます(サービス内容は各社で異なります)。

うつ病で障害者雇用への転職を考えるとき、「一人で完結しようとしない」ことが重要なポイントです。支援機関をうまく使いながら準備を進めましょう。

オープン就労 vs クローズ就労——うつ病のあなたはどちらを選ぶ?

開示・非開示を選ぶ

それぞれの特徴を整理する

「うつ病で転職するとき、オープンとクローズどちらがいい?」は、支援現場で最も多く聞かれる質問のひとつです。以下の表で基本的な違いを整理します。

オープン就労とクローズ就労の主な違い
項目 オープン就労(障害者雇用) クローズ就労(一般雇用)
障害・病名の開示 企業に開示する 開示しない
配慮の申請 合理的配慮を明示的に求めやすい 個別に相談が必要
求人の幅 障害者雇用枠に限定される 一般求人全体から選べる
賃金水準 厚生労働省の障害者雇用実態調査では、障害種別によって平均賃金に差があり、労働時間によっても大きく異なります。
出典:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書」
一般求人と同水準
職場定着率 配慮がある分、定着しやすい傾向 配慮がなければ再燃リスクも

うつ病の場合に特に考えたいポイント

クローズ就労を選んだ場合、職場に配慮を求めることが難しくなります。うつ病は体調の波があることが多く、「繁忙期に業務量を調整してほしい」「週1回、早退できる通院日を設けたい」といった配慮がしにくい環境では、再燃リスクが上がることがあります。

一方、オープン就労では、障害者雇用促進法に基づき、事業主には、障害のある労働者が仕事をするうえで支障となっている事情を改善するため、合理的配慮を提供することが義務づけられています。ただし、事業主に過重な負担となる場合は除かれます。
出典:厚生労働省「雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務」

具体的な配慮内容は、本人と事業主が話し合い、本人の意向を十分に尊重しながら決めていきます。必要に応じて配慮事項を文書などで共有しておくと、入社後の認識のずれを防ぎやすくなります。体調管理を重視しながら転職したい方にとって、必要な配慮について事前に相談できることは、職場選びの重要なポイントのひとつです。

「給与水準は少し下がっても、長く安定して働きたい」と考えるなら、オープン就労は有力な選択肢です。逆に「体調がかなり安定していて、キャリアを優先したい」という場合は、クローズ就労も選択肢に入ります。どちらが正解かは一人ひとり異なりますので、支援機関のスタッフと一緒に考えることをおすすめします。

面接での「うつ病」の伝え方——実践ガイド

面接で伝える3つの柱

基本の考え方:「できないこと」より「できること+配慮事項」

うつ病で障害者雇用の転職面接に臨むとき、多くの方が「病名をどう伝えるか」で止まってしまいます。しかし採用担当者が最も知りたいのは「この方と一緒に働けるか」という点です。つまり、「どんな症状があるか」よりも「どんな配慮があれば安定して働けるか」を伝えることが重要です。

伝える内容の3つの柱

  • ①これまでの経緯(簡潔に):「過去にうつ病を経験し、現在は治療と体調管理を続けながら安定した状態を維持しています」程度で十分です。詳細な症状の説明は不要です。
  • ②できること・強み:体調が安定しているときにできる業務、これまでの経験やスキルを具体的に伝えます。
  • ③お願いしたい配慮事項:「月1回、通院のため早退させていただきたい」「繁忙期は業務量の調整をご相談させてください」など、具体的かつ現実的なものを1〜3項目に絞って伝えます。

面接で使えるフレーズ例

たとえば、こんな伝え方が参考になります。

「以前、業務負荷が重なった時期にうつ病を発症しましたが、現在は主治医と相談しながら体調を安定させています。以前の経験から、業務の優先順位を明確にしてスケジュールを管理することを意識するようになりました。ご配慮としては、現在の治療では月1回程度の通院が必要なため、その時間を確保できることと、繁忙期の業務量について必要に応じて相談できる環境をお願いできればと思います。」

「治療中」「投薬中」など医療の詳細に立ち入る必要はありません。「体調が安定していること」と「安定を維持するために必要な配慮」を明確に伝えることを意識しましょう。うつ病での障害者雇用転職において、面接は「自己開示の練習」でもあります。就労移行支援事業所などで模擬面接を重ねておくと、本番での落ち着きが変わります。

現場からのひとこと

支援現場でうつ病のある方の転職をサポートしていると、「手帳を取ることへの抵抗」を口にする方が少なくありません。「手帳を持つ=自分は障害者なのだ」という感覚が、申請へのハードルになるようです。しかし手帳はあくまで「支援を受けるためのツール」のひとつであり、取得したからといって必ずオープンで転職しなければならないわけではありません。手帳を持ちながらクローズ就労を選ぶ方もいます。

また、うつ病で障害者雇用の転職を目指す方のなかには、「就労移行支援を使うほどではないかも」と感じて支援機関に相談しない方もいます。ですが、面接での自己紹介の練習、配慮事項の整理、職場との橋渡しなど、支援員が担える役割はたくさんあります。「自分に合った使い方でいい」という気持ちで、まず一度、相談の扉を叩いてみてください。

よくある質問

Q1. うつ病で障害者雇用に転職する場合、手帳がなくても使える制度はありますか?

障害者雇用率制度上、精神障害者として企業の実雇用率の算定対象となるには、精神障害者保健福祉手帳の所持が必要です。自立支援医療(精神通院医療)の受給者証だけでは、障害者雇用率制度上の精神障害者として算定されません。
出典:厚生労働省「事業主の方へ」
一方、障害者手帳がなくても、ハローワークの障害者専門窓口での職業相談・紹介や、地域障害者職業センターによる職業評価・職業準備支援などを利用できる場合があります。手帳をまだ取得していない場合でも、まずはハローワークや支援機関に相談してみましょう。

Q2. 転職活動中も就労移行支援を利用できますか?

はい。離職して再就職・転職を目指している場合、就労移行支援では、就職に必要な訓練や職場体験、履歴書作成・面接練習などの求職活動、職場探し、就職後の定着に向けた支援などを受けることができます。就労移行支援の標準利用期間は2年間です。利用料は所得に応じて負担上限月額が設定されており、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯は自己負担0円です。
出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」
利用には市区町村による支給決定が必要なため、詳しくはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や就労移行支援事業所に確認しましょう。

Q3. 面接で「うつ病が再燃したら?」と聞かれたらどう答えればいいですか?

「これまでの経験から、体調が崩れそうなサインに気づいたら早めに主治医に相談する習慣がついています。また、そのときは上司に相談して業務量を調整いただけるような環境であれば、長く安定して働けると考えています」のように、「気づきと対処の仕組みがある」ことを伝えると効果的です。医療的な詳細には立ち入らず、「セルフマネジメントができている」という印象を伝えましょう。

Q4. 障害者雇用の求人はどこで探せますか?

主な探し方としては、①ハローワーク(専門援助部門)、②障害者専門の転職サービス(各社で求人数・サポート内容が異なります)、③就労移行支援事業所を通じた求人紹介、の3つが代表的です。就労移行支援事業所は求人紹介だけでなく、求人の質(配慮の実態など)についても情報を持っている場合があるため、活用する価値があります。

Q5. うつ病での転職活動は、どれくらいの期間を見込めばいいですか?

個人差が大きく「◯か月」と断言することは難しいですが、手帳取得から就職までを含めると数か月〜1年程度かかるケースが多いです。体調を優先しながら無理のないペースで進めることが、長期的な安定就労につながります。焦らず、支援機関と相談しながらスケジュールを立てることをおすすめします。

まとめ|次にやること

うつ病で障害者雇用に転職するためのステップを整理します。

  • STEP 1:主治医に「精神障害者保健福祉手帳の申請」について相談する
  • STEP 2:ハローワーク・就労移行支援事業所などの支援機関に相談し、オープン・クローズどちらが自分に合うか整理する
  • STEP 3:配慮事項と自分の強みを言語化し、面接の準備を進める(模擬面接を活用する)
  • STEP 4:求人に応募・面接・内定後に配慮事項を書面で合意する

うつ病で障害者雇用への転職は、「情報を集めて、自分に合ったルートを選ぶ」プロセスです。一人で完結しようとせず、支援機関のスタッフを頼ることが、結果的に一番の近道になることが多いです。まず「相談してみる」という一歩を踏み出してみてください。

「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。

はたらく森(A型・就労移行)の見学で無料で相談できます。


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監修者

この記事の監修者

監修:雨宮久美子

サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」

就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。

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