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「B型事業所って、どんな人が使えるの?」「工賃はどのくらいもらえる?」「A型とどう違うの?」——そんな疑問を抱えて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。
B型事業所とは何か・対象者の条件を一度きちんと整理したい、というのはとても自然な気持ちです。制度の名前は知っていても、実際に自分が使えるのか、使うと何が変わるのかがわからない——そういった声は支援現場でも毎日のように聞かれます。
この記事では、就労継続支援B型(B型事業所)の基本的な仕組みから、対象者の条件、工賃の実態、A型との違い、利用開始までの流れまでを丁寧に解説します。制度のポイントを押さえて、あなたの「次の一歩」を考えるヒントにしてください。
結論・要点まとめ
詳しい説明の前に、まず3つのポイントをお伝えします。
- B型事業所とは、雇用契約を結ばずに働く練習・就労活動ができる福祉サービスで、障害のある方が自分のペースで働ける場です。
- 対象者は、年齢・障害の種別よりも「一般就労やA型がすぐには難しい状態にある」という点が重視されます。
- 工賃は発生しますが給与(賃金)ではなく「工賃」であり、金額は事業所・地域によって大きく異なります。
B型事業所とは?制度の基本をわかりやすく解説

就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく「就労系障害福祉サービス」のひとつです。正式名称は「就労継続支援B型」、一般的にB型事業所と呼ばれます。
最大の特徴は、雇用契約を結ばない点です。A型や一般就労と異なり、労働基準法上の「労働者」としてではなく、利用者として作業に参加します。そのため、体調に合わせて休みやすく、1日の利用時間も柔軟に調整しやすい環境が整っています。
B型事業所で行う活動の例
- 軽作業(袋詰め・部品の組み立て・シール貼りなど)
- 農作業・園芸
- パソコン入力・データ入力
- カフェ・販売・接客補助
- 清掃・洗濯・食品加工
- クラフト制作・アート活動
活動内容は事業所によって大きく異なります。「自分に合う場所かどうか」を見学や体験利用で確かめることが大切です。
利用中は「工賃」が支払われる
B型事業所では、作業の成果に対して工賃が支払われます。給与・賃金とは異なる位置づけで、最低賃金の保障はありません。
厚生労働省の「令和6年度工賃(賃金)の実績」によると、全国の就労継続支援B型事業所における平均月額工賃は24,141円(約2万4千円)です。実際の工賃は、事業所や地域、作業内容、利用日数などによって異なります。
B型事業所の対象者と利用条件

B型事業所とは何かを理解したうえで、次に「対象者は誰か」を確認しましょう。制度上の対象者要件は、以下のとおりです(出典: 厚生労働省)。
対象者の基本要件
- 原則として18歳以上の方(B型には原則として上限年齢の定めはありません)
- 障害者手帳(身体・精神・療育)または医師の診断書・自立支援医療受給者証などにより、障害または難病があることが確認できること
- 以下のいずれかに該当すること:
- 就労経験があり、年齢や体力などの理由で一般企業への雇用が困難となった方
- 50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 就労移行支援などを利用したものの、一般企業等への就職に結びつかなかった方
- 上記に該当しない場合でも、就労面の課題などについて必要なアセスメントを受け、B型の利用が適当と判断される方
「就労経験がないと使えないの?」と不安になる方もいますが、就労経験がなくても、就労選択支援などによるアセスメントを受け、就労継続支援B型の利用が適当と判断され、市区町村の支給決定を受けることで利用できる場合があります。具体的な利用要件や手続きについては、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所に確認してください。
出典:厚生労働省
手帳がなくても利用できる?
障害者手帳の取得は、B型事業所の利用に必須ではありません。精神科・心療内科等の主治医による診断があれば、自立支援医療(精神通院)の受給者証などを通じて対象となるケースがあります。詳細は相談支援専門員や市区町村の窓口に確認してください。
就労継続支援A型とB型の違いを整理する

「A型とB型、どっちが自分に向いている?」という疑問は多くの方が持ちます。B型事業所とは何かをA型と比較することで、よりイメージがつかみやすくなります。
| 項目 | A型(就労継続支援A型) | B型(就労継続支援B型) |
|---|---|---|
| 雇用契約 | あり(労働基準法が適用される) | なし(雇用関係は発生しない) |
| 最低賃金 | 最低賃金が適用される | 適用なし(工賃制) |
| 報酬の呼び方 | 給与・賃金 | 工賃 |
| 平均的な金額目安 | 月額平均:約9万1千円(出典:厚生労働省) | 月額平均:約2万4千円(出典:厚生労働省) |
| 利用時間の目安 | 1日4~5時間程度の労働時間としている事業所が多い | 短時間から可(事業所による) |
| 向いている状況 | 一定のペースで働ける状態にある | 体調に波がある・就労経験が少ない・まずは慣れたい |
どちらが「良い」ということではなく、今の自分の状態や目標に合うほうを選ぶことが大切です。A型を利用するためには雇用契約を結べる状態であることが求められるため、体調の安定度や就労経験なども踏まえて、支援員と相談しながら判断するとよいでしょう。
B型事業所の利用開始までの流れ
B型事業所を利用するには、障害福祉サービスの申請手続きが必要です。大まかな流れを確認しておきましょう。
STEP 1:市区町村の窓口または相談支援事業所に相談
まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口か、相談支援事業所に連絡して相談します。「B型事業所を使いたい」と伝えれば、次のステップを案内してもらえます。
STEP 2:サービス等利用計画の作成
相談支援専門員と一緒に「サービス等利用計画」を作成します。どんな支援が必要か、週に何日通うかなどを計画に盛り込みます。
STEP 3:利用する事業所の見学・体験
候補の事業所を見学し、体験利用(体験通所)をすることを強くおすすめします。活動内容・雰囲気・スタッフとの相性を実際に確かめることが、長続きのカギになります。
STEP 4:支給決定・受給者証の交付
市区町村が支給決定を行い、障害福祉サービス受給者証が発行されます。この受給者証をもって事業所との契約が可能になります。
STEP 5:契約・利用開始
事業所と利用契約を結び、通所を開始します。利用料については、障害福祉サービスの自己負担は原則としてサービス費用の1割ですが、所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されています。生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では、負担上限月額は0円です。
出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」
現場からのひとこと
B型事業所の利用を検討している方から「自分は対象者に入りますか?」という問いをよく受けます。制度上の文言だけ読むと、就労経験の有無や年齢など条件が複雑に見えますが、実際には「今すぐ雇用契約を結んで働くことが難しい状態にある」という点が重視されます。主治医や支援者と相談しながら、一緒に整理していくプロセスが大切です。
また、B型を「仮の場所」と感じてほしくないというのが現場の本音です。長く安定して通い続けること自体が大きな意味を持ちますし、B型での経験が自信となってA型や一般就労につながるケースも、反対にB型での活動がその方の「ちょうど良い働き方」になるケースも、どちらも尊重されます。焦らず、自分のペースを大切にしてください。
よくある質問
Q1. 障害者手帳がなくてもB型事業所は利用できますか?
手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などによって利用できる場合があります。ただし、自治体によって判断が異なるため、まずはお住まいの市区町村の窓口や相談支援事業所に相談してみてください。
Q2. 工賃はどのくらいもらえますか?
事業所によって工賃には差があります。厚生労働省の令和6年度実績によると、就労継続支援B型事業所の全国平均月額工賃は24,141円(約2万4千円)です。実際の工賃は、事業所や地域、作業内容、利用日数などによって異なるため、見学や体験利用の際に確認しておくとよいでしょう。
Q3. 週に何日・何時間通わなければいけませんか?
事業所ごとにルールは異なりますが、B型は比較的柔軟に調整できる場合が多いです。週1〜2日から始めて徐々に増やすことができる事業所もあります。体調や生活リズムに合わせて相談してみましょう。
Q4. B型を利用しながら障害年金は受け取れますか?
B型事業所の利用と障害年金の受給は、原則として併用できます。ただし、年金の受給要件や等級への影響については、年金事務所または社会保険労務士など専門家に確認することをおすすめします。
Q5. B型からA型や一般就労への移行はできますか?
できます。B型での経験を積んで体調が安定してきた場合、A型事業所や就労移行支援の利用、一般就労への移行を検討することも可能です。移行を希望する場合は、担当の支援員や相談支援専門員に相談してみてください。
まとめ|次にやること
この記事では、B型事業所とは何か・対象者の条件・工賃の実態・A型との違い・利用の流れを解説しました。最後に要点を整理します。
- B型事業所とは、雇用契約なしで自分のペースで働ける福祉サービスで、対象者は「一般就労やA型がすぐには難しい状態にある方」が中心です。
- 工賃は発生しますが給与ではなく、金額は事業所・地域によって異なります。
- A型との最大の違いは「雇用契約の有無」と「最低賃金の適用の有無」です。
- 利用開始には市区町村への申請と受給者証の発行が必要で、体験利用を活用して自分に合う事業所を探せます。
「自分はB型の対象者になるのかな?」と思ったら、まずは市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所に問い合わせることが第一歩です。一人で抱え込まず、専門家に話を聞いてもらいながら進めていきましょう。
「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。
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この記事の監修者
監修:雨宮久美子
サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」
就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。


