B型工賃の平均はいくら?都道府県・作業別の実態と収入を増やす方法

B型工賃の平均はいくら?都道府県・作業別の実態と収入を増やす方法 障害者雇用の基礎知識

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「就労継続支援B型に通っているけれど、工賃の平均がどのくらいなのか気になる」「もう少し収入を増やしたいけど、どうすればいいの?」——そんな疑問を抱えてこのページにたどり着いたあなたへ。B型 工賃 平均は公式データで把握できますが、事業所や作業内容によって大きな差があるのが実情です。この記事では、全国平均・都道府県別の傾向・作業内容別の目安を整理したうえで、工賃を上げるために活用できる選択肢をわかりやすく解説します。

結論・要点まとめ

まず、この記事でわかる3つのポイントをお伝えします。

  • 就労継続支援B型の工賃平均は厚生労働省によると、全国の平均工賃月額は令和6年度(2024年度)で24,141円です。実際の工賃額は、事業所や作業内容、利用日数、地域などによって異なります。
    出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」
  • 就労継続支援B型の工賃の支払い方法は事業所によって異なり、時間額・日額・月額などで設定される場合があります。具体的な工賃の計算方法や金額は事業所ごとに異なるため、利用前に確認しておくことが大切です。
    出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」
  • 工賃を増やすには、事業所内での作業変更・目標工賃達成指導員の活用・ステップアップ(A型や一般就労)など複数の選択肢があります。

B型工賃の平均はどのくらい?国のデータで見る実態

B型工賃の全国平均

就労継続支援B型(以下、B型)の工賃は、厚生労働省が毎年度調査を行い公表しています。最新データを確認することで、自分が通っている・通おうとしている事業所の水準が全国と比べてどの位置にあるかがわかります。

月額工賃の全国平均

厚生労働省によると、就労継続支援B型事業所の全国平均工賃月額は、令和6年度(2024年度)で24,141円です。
出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」

これはあくまで全国平均であり、実際の工賃額は、事業所や地域、作業内容、利用日数などによって異なります。平均額だけで判断せず、事業所を選ぶ際には、実際の工賃実績や工賃の計算方法、利用日数などを確認することが大切です。

時給換算するといくら?

就労継続支援B型では、事業所によって工賃を時間額・日額・月額などで設定している場合があります。厚生労働省によると、令和4年度のB型事業所における全国平均工賃は、月額17,031円、時間額243円でした。B型は原則として事業所と雇用契約を結ばないため、工賃は労働者に支払われる賃金とは異なり、最低賃金法による最低賃金の適用を前提としたものではありません。
出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」

B型は「雇用契約を結ばない」福祉サービスであるため、最低賃金法の適用外となっています。これは制度上の仕組みであり、B型が「悪い場所」ということではありません。就労に向けて体調や生活リズムを整えながら、自分のペースで働く場として設計されているためです。

都道府県別・作業内容別で見るB型工賃の傾向

都道府県で差がある

B型工賃の平均は、住んでいる地域や事業所で行う作業内容によって変わります。事業所を選ぶ際の参考にしてください。

都道府県別の傾向

厚生労働省では、就労継続支援B型の都道府県別平均工賃月額を公表しています。令和6年度(2024年度)の全国平均工賃月額は24,141円ですが、都道府県によって平均額には差があります。例えば、徳島県は30,231円、島根県は29,304円である一方、大阪府は19,747円、秋田県は20,221円となっています。ただし、都道府県の平均額はあくまで地域全体の平均です。実際の工賃は事業所や作業内容、利用状況などによって異なるため、事業所を選ぶ際には、気になる事業所の工賃実績や計算方法を直接確認することをおすすめします。
出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」

工賃水準の傾向イメージ
地域区分 月額工賃の傾向
都市部(関東・東海・近畿) 全国平均を上回る地域・下回る地域の両方がある
地方圏 全国平均を上回る地域・下回る地域の両方がある

作業内容別の工賃目安

B型事業所で行う作業の種類も、工賃水準に影響します。以下はよくある作業例と傾向のイメージです(事業所によって異なります)。

  • 軽作業・内職系(袋詰め・シール貼りなど):袋詰めやシール貼り、商品の組み立てなどの軽作業を行っているB型事業所もあります。工賃額は作業内容だけで決まるものではなく、事業所の生産活動による収入や利用状況などによって異なります。厚生労働省によると、就労継続支援B型全体の全国平均工賃月額は、令和6年度(2024年度)で24,141円です。
  • 清掃・洗車・農作業:外部企業との契約次第で収益が変わりやすい。工賃水準は事業所差が大きい。
  • パソコン・デザイン・WEB系:専門スキルを活かせる場合があり、工賃が比較的高めの事業所もある。
  • カフェ・販売・食品加工:販売収益が直接工賃に反映されやすい。繁忙期・閑散期の影響を受けることも。

作業内容は体調・特性・興味と合致しているかどうかが大切です。工賃だけで選ぶのではなく、「自分が無理なく続けられるか」も必ず確認してください。

B型の工賃を増やすために知っておきたい方法

B型の工賃を上げる4つの方法

「今の工賃をもう少し上げたい」と感じているなら、いくつかのアプローチを検討できます。一つひとつ、あなたの状況に合わせて考えてみましょう。

① 事業所内で高工賃の作業に変更する

同じ事業所でも、作業の種類によって工賃が異なる場合があります。担当支援員に「工賃の高い作業を担当できるか相談したい」と伝えてみることが第一歩です。スキルや体調に合わせて調整してもらえることもあります。

② 目標工賃達成指導員・工賃向上計画を活用する

B型事業所には、利用者の工賃水準を向上させるための仕組みがあります。厚生労働省では、都道府県が「工賃向上計画」を策定し、それに基づいてB型事業所等の工賃向上を支援する仕組みを設けています。また、一定の基本報酬区分を算定するB型事業所では、工賃向上計画基本指針に基づいて事業所自身も工賃向上計画を作成し、都道府県等へ提出することが求められています。
出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
また、工賃目標の達成に向けて取り組む「目標工賃達成指導員」を配置し、所定の人員配置などの要件を満たしたB型事業所には、「目標工賃達成指導員配置加算」が設けられています。さらに、令和6年度(2024年度)からは、一定の要件のもとで工賃目標を達成した事業所を評価する「目標工賃達成加算」も設けられています。工賃アップを重視して事業所を選ぶ場合は、見学時に工賃実績だけでなく、工賃向上計画の内容や目標工賃達成指導員の配置状況、工賃を上げるためにどのような取り組みをしているかを確認してみるとよいでしょう。
出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬の算定基準」

③ 就労継続支援A型へのステップアップを検討する

就労継続支援A型(以下、A型)は、事業所と雇用契約を結んで働く障害福祉サービスです。厚生労働省によると、A型事業所の全国平均賃金月額は令和6年度(2024年度)で91,451円です。A型では雇用契約に基づいて働くため、原則として最低賃金が適用されます。B型からA型への移行を希望する場合は、雇用契約に基づいて継続的に働ける状態かどうかなどを踏まえ、担当支援員や相談支援専門員と相談しながら検討することが大切です。
出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」

④ 一般就労・障害者雇用枠への移行を視野に入れる

B型から就労移行支援などを利用し、一般企業への就職や障害者雇用枠での就職を目指す人もいます。就労移行支援の標準利用期間は2年間です。ただし、2年を超えて引き続きサービスを利用する必要があると市区町村が個別に認めた場合には、最大1年間延長し、合計3年間利用できる場合があります。就労移行支援では、就職に必要な知識・能力を身につけるための訓練や求職活動の支援などを受けられます。また、就職後も事業所から少なくとも6か月間、職場定着に向けた相談・支援を受ける仕組みがあります。
出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」

「いきなり就職するのは不安」という場合も、現在の体調や希望する働き方を踏まえて、支援員や相談支援専門員と相談しながら一般就労への移行を検討できます。

現場からのひとこと

支援の現場でよく耳にするのは、「工賃が低いのはわかっているけど、どこに相談すればいいかわからない」という声です。工賃向上の相談は、遠慮なく担当の支援員や生活支援員に持ちかけてください。事業所によっては定期的に個別面談を設けており、作業変更やステップアップの希望を伝えると具体的に動き出せることがあります。

また、「工賃を上げること」と「今の体調・生活を安定させること」は両立して考えることが大切です。焦って無理をするより、今の環境で安定して通えることを積み重ねることが、長期的な収入向上への近道になるケースも多くあります。あなたのペースを大切にしながら、一緒に考えていきましょう。

よくある質問

Q. B型の工賃は毎月変わるのですか?

事業所によって異なります。月額固定制の場合は比較的安定していますが、販売収益や請負仕事の量に応じて変動する事業所もあります。見学・体験の際に「工賃はどのように決まっていますか?」と確認しておくと安心です。

Q. B型の工賃は収入として扱われますか?障害年金に影響しますか?

B型で受け取る工賃は収入になりますが、一般的な障害基礎年金・障害厚生年金では、B型の工賃額や就労していることだけを理由に直ちに年金が支給停止になるわけではありません。ただし、障害の状態を確認する際には、仕事の内容や就労状況、職場で受けている援助・配慮などが考慮される場合があります。また、20歳前の傷病による障害基礎年金には、本人の前年所得による支給制限があります。生活保護を受給している場合は、工賃などの収入が収入認定の対象となり、保護費に影響する場合があります。制度によって収入の扱いが異なるため、詳しくは年金事務所や市区町村の福祉窓口、担当ケースワーカーなどに確認してください。
出典:日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」

Q. 工賃が高い事業所を探すにはどうすればいいですか?

都道府県や市区町村の障害福祉担当窓口、相談支援事業所などに相談すると、地域の就労継続支援B型事業所について情報を得られる場合があります。 また、厚生労働省では、就労継続支援B型の全国・都道府県別の平均工賃実績を公表しているほか、各都道府県が策定している「工賃向上計画」へのリンク一覧も公開しています。これらは地域の工賃水準や工賃向上の取り組みを知る参考になりますが、実際の工賃は事業所ごとに異なります。気になる事業所がある場合は、直近の平均工賃額や工賃の計算方法、利用日数による違いなどを直接確認するとよいでしょう。あわせて見学や体験を行い、作業内容・支援体制・通いやすさなども含めて総合的に検討することをおすすめします。
出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」

Q. B型に通いながらアルバイトはできますか?

B型のサービス利用と並行して、短時間のアルバイトをしている方もいます。ただし、体調管理や受給者証の支給量との兼ね合いがあるため、事業所の担当支援員や相談支援専門員に事前に相談することが大切です。

Q. 工賃に不満があるとき、どこに相談すればいいですか?

まずは事業所の担当支援員・管理者に相談するのが最初のステップです。それでも解決しない場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所、都道府県の障害福祉課などに相談できます。

まとめ|次にやること

B型工賃の平均について、この記事でお伝えしたことを振り返りましょう。

  • 全国平均は、厚生労働省によると、就労継続支援B型の平均工賃月額は令和6年度(2024年度)で24,141円ですが、実際の工賃額は事業所・地域・作業内容・利用状況などによって異なります。
  • 工賃を増やすには、作業変更の相談・A型や一般就労へのステップアップ・就労移行支援の活用など、複数の選択肢がある。
  • 焦らず、今の状況を安定させることが長期的な収入向上への土台になる。

「自分の場合はどうすればいいかわからない」と感じたら、まず事業所の支援員や相談支援専門員に気軽に話しかけてみてください。一人で抱え込まず、一緒に考えていくことが大切です。

A型とB型の違いや選び方についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。

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監修者

この記事の監修者

監修:雨宮久美子

サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」

就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。

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