B型事業所の対象者・条件とは?工賃・1日の流れを現場が解説

B型事業所の対象者・条件とは?工賃・1日の流れを現場が解説 就労支援のリアル

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「就労継続支援B型の対象者・条件って、自分は当てはまるの?」「手帳がなくても使えるの?」——そんな疑問を抱えて調べているあなたへ、この記事ではB型事業所の対象者・利用条件を中心に、工賃の相場、1日の流れ、A型との違いまでまとめて解説します。支援現場のスタッフが日々受ける質問をもとに、できるだけ具体的にお伝えします。

結論・要点まとめ

まず最初に、大事なポイントを3行でお伝えします。

  • B型事業所の対象者・条件は「障害や難病があり、雇用契約を結んで働くことが難しい状態にある方」が基本です。
  • 精神障害者保健福祉手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療の受給者証などで利用できるケースがあります。
  • 工賃は雇用ではなく「成果報酬」の形で支払われ、全国平均は月1万円台が多いですが、事業所によって大きく差があります。

B型事業所の対象者・条件とは?基本から整理しよう

B型の対象者と条件

就労継続支援B型(以下「B型事業所」)は、障害者総合支援法にもとづく就労系障害福祉サービスの一つです。一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識・能力の向上や維持に向けた支援を行います

B型事業所の対象者・条件として法令上定められているのは、大きく以下のいずれかに当てはまる方です。

  • 企業等や就労継続支援A型での就労経験があり、年齢や体力の面で雇用されることが困難となった方
  • 50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方
  • 上記に該当しない方で、就労選択支援事業者によるアセスメントを受け、就労面の課題などが把握されている方
  • 通常の事業所で働いている障害のある方で、労働時間を段階的に延ばす場合や休職から復職する場合など、就労に必要な知識・能力を高めるための支援を一時的に必要とする方

出典:厚生労働省

年齢制限はある?

B型事業所には原則として年齢の上限はありません。障害者総合支援法上の「障害者」は原則18歳以上とされており、B型には65歳などの一律の年齢上限は設けられていません。65歳以上でも、対象要件を満たせば利用できる場合があります。ただし、障害者総合支援法上の障害者に該当し、B型事業所の対象要件を満たしたうえで、市区町村から障害福祉サービスの支給決定を受ける必要があります。

障害者手帳がなくても使える?

「精神障害者保健福祉手帳がないと利用できない?」という質問は現場でもよく受けます。結論としては、手帳がなくても利用できる場合があります

B型事業所の対象者・条件で重要なのは手帳の有無よりも「障害や難病の状態があること」の証明です。以下のいずれかで対応できるケースがあります。

  • 主治医の診断書・意見書
  • 自立支援医療(精神通院医療)の受給者証
  • 特定医療費(指定難病)受給者証
  • 療育手帳・身体障害者手帳(精神障害の手帳がなくても可)

ただし、自治体によって判断基準が異なります。「自分は使えるか?」と迷ったら、まずお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口か、相談支援専門員に確認するのが確実です。

B型事業所とA型事業所の違い——どちらが自分に合う?

A型とB型の違い

B型事業所の対象者・条件を理解するうえで、A型事業所との違いを知っておくことがとても役立ちます。

就労継続支援A型・B型の主な違い
項目 A型事業所 B型事業所
雇用契約 あり(最低賃金以上の給与) なし(工賃として支払い)
対象者の目安 雇用契約を結んで働ける状態の方 雇用契約を結ぶことが難しい状態の方
利用料 原則1割負担(ただし、所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されており、市町村民税非課税世帯などは0円です。)
通所日数・時間 比較的固定的 体調に合わせて柔軟に調整しやすい

出典: 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」

「今は体調が安定していないけど、少しずつ社会との接点を持ちたい」という方には、B型事業所が選択肢として合っていることが多いです。一方、「毎日安定して通え、賃金が必要」という状況であればA型が向いているかもしれません。どちらが適切かは、相談支援専門員や支援スタッフと一緒に考えることをおすすめします。

B型事業所の工賃と1日の流れ

B型の1日の工賃

工賃の相場はどのくらい?

B型事業所では、利用者と雇用契約を結ばず、生産活動による収入などをもとに「工賃」が支払われます。厚生労働省によると、就労継続支援B型事業所の全国平均工賃月額は、令和6年度(2024年度)で24,141円です。B型は雇用契約を結ばない「非雇用型」のサービスであるため、原則として最低賃金法に基づく賃金とは異なる扱いになります。

出典:厚生労働省

ただし事業所によって差が大きく、月額3万円以上を支払っている事業所も存在します。工賃額だけでなく、作業内容・通いやすさ・支援の質も含めて事業所を選ぶことが大切です。

1日の流れ(例)

事業所によって異なりますが、一般的な1日の流れの例を紹介します。

  • 9:00〜 送迎または自力通所・朝のミーティング、体調確認
  • 9:30〜 午前の作業(軽作業、パソコン入力、農作業、カフェ運営など)
  • 12:00〜 昼食・休憩(スタッフとの雑談や交流も)
  • 13:00〜 午後の作業
  • 15:00〜 終礼・振り返り・帰宅(送迎あり)

通所時間は1日数時間からスタートできる事業所も多く、体調に合わせて少しずつ時間を延ばしていけるのがB型事業所の特徴のひとつです。「週1日から」「午前だけ」という形で始める方もいます。

作業内容の種類

B型事業所で行われる作業は事業所ごとにさまざまです。

  • 封入・梱包・シール貼りなどの軽作業
  • パソコンを使ったデータ入力・画像編集
  • カフェ・飲食店の運営補助
  • 農業・園芸作業
  • 手芸・陶芸・アート制作
  • 清掃・クリーニング補助

「この作業が自分に向いているか不安」という場合は、見学・体験利用をしてから決めることができます。複数の事業所を見学して比較することも可能です。

B型事業所の利用を始めるための手続きの流れ

B型事業所の対象者・条件に当てはまると感じたら、次は利用開始までの流れを確認しましょう。

  1. 相談窓口に連絡:市区町村の障害福祉課、または相談支援事業所に相談する
  2. サービス等利用計画の作成:相談支援専門員と一緒に計画を作る(セルフプランも可)
  3. 事業所の見学・体験:気になる事業所を見学・体験利用して雰囲気を確認する
  4. 支給決定:市区町村から「就労継続支援B型」のサービス利用の支給決定を受ける
  5. 利用開始:事業所との契約を結び、通所を始める

手続きは書類が多く感じるかもしれませんが、相談支援専門員や事業所のスタッフがサポートしてくれます。一人で抱え込まずに相談しながら進めましょう。

現場からのひとこと

B型事業所の対象者・条件について、「自分には難しいかも」と最初から諦めてしまう方が少なくありません。でも実際に話を聞いてみると、「もっと早く相談してくれればよかったのに」というケースも多いです。手帳の有無、通所できる日数や時間、作業の得意・不得意——どれも「まず使ってみながら一緒に考えましょう」というスタンスで受け入れている事業所が多くあります。

また、「B型に通いながら、将来的にA型や一般就労を目指したい」という希望を持つ方も増えています。B型事業所はゴールではなく、自分のペースで力をつけていく「出発点」や「拠点」として活用できる場所です。まずは見学だけでも、という気持ちで一歩踏み出してみてください。

よくある質問

Q1. 精神科に通院中ですが、手帳がなくてもB型事業所を利用できますか?

手帳がなくても、主治医の診断書や自立支援医療(精神通院医療)の受給者証などで利用できる場合があります。まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口か相談支援事業所に問い合わせてみてください。

Q2. 就労継続支援B型の利用に費用はかかりますか?

障害福祉サービスの利用者負担は原則1割ですが、所得に応じて月ごとの負担上限額が設定されています。生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では、負担上限月額は0円です。厚生労働省の資料では、B型を含む障害福祉サービス利用者全体の多くが無料でサービスを利用しています。実際の負担額は所得状況などによって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村の障害福祉窓口に確認してください。

出典:厚生労働省

Q3. 週に何日から通えますか?

事業所によって異なりますが、週1日・1日数時間からスタートできるところも多くあります。体調や生活リズムに合わせて、支援スタッフと相談しながら通所日数を決められるのがB型事業所の特徴です。

Q4. B型事業所に通いながら、将来は一般就労を目指せますか?

はい、B型事業所に通いながら生活リズムを整え、その後A型事業所や一般就労・就労移行支援へとステップアップしていく方もいます。ただし「必ずそうなる」とは言えないので、担当のスタッフと一緒に自分のペースで考えていくことが大切です。

Q5. 家族が本人の代わりに見学や問い合わせをしてもいいですか?

もちろん可能です。家族だけの見学や相談を受け付けている事業所も多くあります。本人が最初から同行することが難しい場合は、まずご家族だけで問い合わせてみるのもひとつの方法です。

まとめ|次にやること

この記事では、B型事業所の対象者・条件を中心に、工賃の相場・1日の流れ・A型との違い・利用手続きまでをまとめました。

  • B型事業所の対象者・条件は「障害や難病があり、雇用契約を結んで働くことが今は難しい方」が中心
  • 精神障害者保健福祉手帳がなくても、診断書等で利用できるケースがある
  • 工賃・作業内容・通所スタイルは事業所によって大きく異なるため、見学・体験が重要
  • 利用開始は「市区町村窓口または相談支援事業所への相談」からスタート

「自分が対象者・条件に当てはまるか不安」という気持ちがあっても、まずは相談してみることが一番の近道です。窓口のスタッフや相談支援専門員が一緒に考えてくれます。あなたのペースで、次の一歩を踏み出してみてください。

「読んだだけでは判断がつかない」というときは、人に相談するのが早道です。

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監修者

この記事の監修者

監修:雨宮久美子

サービス管理責任者
就労継続支援A型・就労移行支援
多機能型事業所「はたらく森」

就労継続支援A型・就労移行支援の多機能型事業所「はたらく森」にて、障害のある方の就労支援に従事。現場での支援経験をもとに、記事内容の正確性を確認しています。

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